小林さんちのメイドラゴン

最近観たアニメの気になったこととか8

『女神寮の寮母くん。』5話。傘を広げたら内側に夜空と月が描かれているっていうのがすごく良いなと思いました。月のパワーが満ちていないと遠出できないせれねに対する粋な計らい。なんだか『sola』を思い出すエピソードでもあったなと。あと貰った傘を広げ…

最近観たアニメの気になったこととか7

*1 『小林さんちのメイドラゴン』6話。才川のコミカルな性格と現実に根づいた芝居がとても好きでした。後ろに倒れてからそのまま足を上げた状態でカットが終わってもいいような場面ですが、ベンチへ足先が下りるところまでしっかりと描いていたのがツボで、…

『小林さんちのメイドラゴンS』1話の演出、空の色について

全体の演出について、というよりは個人的に気になったポイントについて。まずはトールとイルルのアクション終わり、夕景のシーンについてですが、時間経過をしっかりと描いた上でその変遷がトール自身の感傷性に触れていく流れがとても素敵でした。それに加…

『小林さんちのメイドラゴン』13話 最終回 いつかの未来と今について

動揺や不安。そういった負の感情への煽り方が本当に巧かったと思います。トールが部屋を出ていく時に始まり、ベランダで空を煽ぐ姿への閑静な繋げ方、カンナが部屋へ戻るとグッと画面の明度が下がり影面積の多い作画になり、音も消える。これは一話や二話、…

『小林さんちのメイドラゴン』9話の演出について

“この登場人物たちは今なにを見て、なにを想っているのだろう”。それは、私自身がアニメを視聴する際に強く考え、知りたいと願う部分の一つでもあるわけですが、そうした疑問に対する一つの応えをこの作品は鮮明なイメージを持って、いつも誠実に応えてくれ…

『小林さんちのメイドラゴン』8話の演出について

前半のお弁当対決パートが『ワイルド・ファイア』だったとか、手の芝居から山田尚子さんらしさが溢れてたとかビジュアル的には色々あると思うんですが、足元にカメラを寄せていくのはなんか直近の『聲の形』を思い出したりして良かったなと感じました。もち…

『小林さんちのメイドラゴン』6話の演出と『MUNTO』のこと

アバンのカットで思い出したのは『無彩限のファントム・ワールド』6話でしたが、どちらのカットにも根源的には『MUNTO』という作品の影を大きく感じてしまいます。それも本話のコンテ演出を担当されたのは同作品の監督をされた木上益治さん。正直、繋げて語…

『小林さんちのメイドラゴン』5話の演出について

光源側にトールが立っているというのが非常に示唆的だったカット。周囲から「変わった」と言われる小林さんを “変えている” のは一体誰なのかということが非常にセンシティブに描かれていたと思います。陰影を意識した画面の構成はこれまでも何度かありまし…

『小林さんちのメイドラゴン』2話の演出について

誰がなにを見つめていて、そこにどんな想いが託されているのか。そんな数多くの情報をしっかり汲み取ってくれる京都アニメーションの作劇はだからこそ人間味に溢れ、感情的なフィルムへと昇華されていくのでしょう。トールの手を小林さんが引いていくシーク…

『小林さんちのメイドラゴン』1話の演出と武本康弘さんについて

ドラゴンの少女トールが小林さんの家に訪問してからの一連のシークエンス。上手側に小林さんを置くことで物語は彼女を主体に据えるところから始まります。つまりトールを自分の家で雇うかどうかの選択によってこの物語は始まっていくといことです。逆にトー…