テレビアニメOP10選 2014

昨年書いた記事から丸一年。季節も頃合いということで約1週間の遅れとなりましたが今年もこの企画に参加させて頂こうと思います。放映季順、他順不同、他意はありません。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準は毎年同様 「とにかく好きなOP」 です。



未確認で進行形 / とまどい→レシピ

「タッタッタラ」 という軽快なリズムにのってお贈りされる四季折々のフラッシュメモリーに気持ちが昂まれば、そのリズムを身体全体で刻む少女たちの可愛さに酔いしれる素晴らしいOP。表情豊かなその作品性よろしく、主要キャラからサブキャラまで実に楽しそうなのが凄く良いです。動画工房らしい大きな動き、アニメらしい表現もとても魅力的。あと定点観測のカットにはどうしたって抗えないな、なんていう再確認もありつつ。



生徒会役員共* / 花咲く最強レジェンドdays

アバンにOPのイントロが噛んでくるのが好き過ぎるやつ。爽快感のある曲調に目まぐるしくスピーディーに展開される卑猥な映像が最高にクールです。これぞGoHandsの撮影力といった印象もありつつ、キャラクターの特性を存分に生かしたまさにオープニングセレモニーのようなPVだったと思います。このへんにスズ↓の存在感も良い感じでしたね。素晴らしいです。



中二病でも恋がしたい!戀 / VOICE

京都アニメーションの作画力に感嘆する他、選択肢が見つけられない至極の回転PV。もはや廻すことなど造作もないと言いたげな映像には感動すら覚えます。登場人物の可愛らしさを多角的に映すということ。自己紹介的なニュアンスも含みつつ、一期の頃のそれとは違い、もう中二病であることを隠す必要は存在しないとばかりに激しく鍔ぜり合う異空間の戦いはとても見応えがあり、躍動感に溢れていたように思います。最後は現実に引き戻されてしまうまでが中二恋クオリティ。ほんとぶれないなぁと。



シドニアの騎士 / シドニア

特に目新しいことをやっているわけでもなければ、新規カットすらほぼ皆無 (もしかしたら一つも?) なのにこれ程までに力強い鼓動を感じるのは寸分の狂いもなく映像が物語に同期しているから。透過された過去の記憶、物語の片鱗がangelaの歌声に乗れば、そこには確固たるシドニアの生き様が浮き彫りになる辺りにこの作品の凄みを感じます。本編を観る前に襟筋を正さずには居られなかったのはこのOPの影響がかなり大きいかなと。



ばらかもん / らしさ

直球ど真ん中の歌詞をなぞるように描かれた映像の気持ち良さ。荒々しく引かれたヒコーキ雲の “その先” は楽曲の中においても幾度となく繰り返し歌われた “自分らしさ” そのものだったのでしょう。今の自分を童心が追い掛け、追い越していく。そんな映像の展開にはどうしたって心が震えてしまうと言いますか、この映像を観ているとなにか勇気のようなものを貰えるような気さえしてきて、昂りますね。

関連記事 : 「自分らしさ」 に贈るアンサーフィルム / 『ばらかもん』 OP



六畳間の侵略者 / 好感win-win無条件

衝撃的な一枚絵にやられてしまったOPと言えばやはりこれしかないでしょう。立て続けにカッティングされたワンカットの強烈さに加え、画面に二つの縦軸を足すと3Dに見える、と一時期流行った例のあれを躊躇なくOPで実践してしまう辺りなんかもまさに大沼心監督っぽいというか。弾けた楽曲に絡まる各演者さんの歌声も最高に癖になる感じで良かったです。ていうかAメロから2回目のサビまでずっとババ抜きしてるOPって時点で神懸ってると思います。キャラクターにしっかりと寄り添ってる感じも好印象で、正直非の打ち所がありません。



ヤマノススメ / 夏色プレゼント

映像のマジシャン石浜真史。その真骨頂とも言うべき映像の趣きがギッシリと詰まった素晴らしいOP。モーショングラフィックスを生かした面白さにキャラクターの可愛らしさを存分に引き出すその手腕には脱帽する他ありません。フレームインのタイミング。音ハメの心地よさ。アウトラインを余り遣わない作画の妙とそれらを縁取る色彩のバランス。褒め言葉なんてきっと幾らでも出るんだろうなぁなんて思いつつ、結局最後はラストの四分割の横顔に涙を流すしかないのだから分かりやすいんだよなぁと。常に左手へと進む彼女たちはまさに “ススメ” の体現者であったように思います。最高ですね。

関連記事 : 映像のマジシャン石浜真史 ― 『ヤマノススメ』 への系譜



ヤマノススメ / 毎日コハルビヨリ

モーショングラフィックスではこの方もこれから出てくるんじゃないかと思わされる 『ヤマノススメ』 マジック第二弾。神田智隆で遡れば 『有頂天家族』 の名前が浮き彫りになるのだから、ああなるほどなぁと納得せざるを得ませんでした。石浜イズムを受け継いでいるかのような歌詞ハメと映像の動かし方にはどうしたって心もときめいてしまうと言うもの。爽やかなメロディに感謝の詩が乗れば4人の笑顔が一面に咲くこの映像のコンセプトには存分に本作のらしさが滲み出ていたように思います。

「彼女たちならもう大丈夫」 この映像を観ているとそんな風に思えてくるのがとても素敵ですね。同作から二つの選出になってしまったのは反省しています。でも、決して後悔はしていません。



失われた未来を求めて / Le jour

「未来を開拓する」 本編のストーリーラインに沿う見事なOPの構成が素敵です。定点カメラで時間の行方を追えば、そうした時間経過と共に一人一人の表情に影が差していく本作のスタンス。星を追うということは、過去を見つめ、未来を見据えるということ。余りに示唆的な映像には正直、苦しささえ感じてしまいましたが、その最後には朝陽が昇り満面の笑みが咲く辺りにこの作品の優しさを垣間見たような気がします。



ソード・アート・オンライン2 / courage

遂にここまで来たのだと思わざるを得ないSAOらしいOP。バーチャルさがより増した映像に加え、世界を存分に旅するアスナとユウキたちの表情に、ああこれが僕たちの理想郷 『アインクラッド』 だったんだなぁと。キリト側からの映像に被せるかのように描かれた新たなるパーティーとの出会いと、冒険の予感。フレームいっぱいに描き込まれた 『Sleeping Knights』 の文字に少女たちの生き様を強く感じるまでがマザーズ・ロザリオ編の矜持なのかなと。あらゆる予感と原風景に満ちた至極のOPだったように思います。戸松さんのボーイッシュな歌声も最高ですね。





というわけで、以上が2014年度テレビアニメOPの10選作品となります。今回の選出はかなりすんなりと決まったような気がしています。他にも挙げれば素晴らしいOPはあったように思いますし、自分自身で振り返っても 「あのOPがないのはなぁ」 なんて何度か思い直そうとしたことはあったのですが、この記事を書く時には常に心に留めている 「好きなOP」 という括りに対し素直に向き合った結果がこの選出であると思って頂ければ幸いかなと思います。

それにしても、やはりOPって良いものですね。この記事を書く時は本当に何度も何度も擦り切れるくらい好きなOPを毎年観直すんですけども、もうそれだけで幸せな気持ちに満ち足りてしまうのですから、OPって本当に良いものだなぁとその素晴らしさを噛み締めるばかりです。というわけで、今年も一年。本当に素敵な映像体験をありがとうございました。


angelaさんの表記を修正致しました。ご指摘ありがとうございました。