『城下町のダンデライオン』 4話の脚の表現について

衝撃でした。瞳以外のハイライトが回転しないなどといつから錯覚していた、とでも云わんばかりの見事なハイライト表現。特に茜の脚に至っては質感やフォルムも艶やかでいて肉づき感がよくとても素晴らしいものに描き上がっていた印象なんですが、まさかこういった表現で少女的な質感に奥深さを与えてくるとは思ってもいませんでした。それこそ無機質的なものの滑らかさや力強さを表現する際にハイライトをぐるんと動かすやり方は以前にもあったように記憶していますが、人の局部にあたるハイライトがここまで煽情的に動く例を私は他に知りませんでしたし、おそらくこれが初めての体験になったのではないかと思います。


茜の脚にスポットをあてた話なのだからこれぐらいやったってやり過ぎってことはないだろう、むしろこれぐらいやらなくちゃ茜の脚の質感は表現出来ない。そんな熱量さえ感じることの出来るワンカット。コンテ段階でこういう指示が出ていたのか、原画でのアドリブなのかという点に関しては分かりかねるところですが、とにかく素晴らしい表現だと思います。

あとはこのカットも素晴らしかったです。疲れ帰宅してからの、くつろぎたい気持ちと女子的な部分の葛藤が感じられてとても良かったですし、この脚の表現だけで彼女のイメージにまた一つ年頃の女の子らしさを付け加えていたと思います。チラッと足先を見せてくれるのも良いです。これがあるのとないのとでは大違いだと思います。女性の足先、特に裸足のそれは凄く特別でフェティッシュさが際立つパーツでもありますから、それをコンマ数秒でも画面に映してくれる辺りに強い拘りを感じられます。

足首の華奢な感じ。足裏の陰のつけ方。最高ですね。擦り寄る猫の気持ちが手に取るように分かります。なんとかは細部に宿るなんて言い回しもあるわけですけど、全体を通して観てもそれを象徴するかのような挿話になっていたのではないかと思います。面白い掛け合いや家族を通しての心温まる物語がとても魅力的な本作ではありますが、こういったところにもしっかりとリソースを割けることにこの作品の魅力は詰まっているように感じられますね。素晴らしい脚の表現と質感です。