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『競女!!!!!!!!』の尻パース

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圧巻の『尻(けつ)パース』。 レイアウトにどう収めるかではなく、お尻を主役として据えた場合どのようなレイアウトが映えるのかを考え抜かれた画面構成は、まさに美学的とも呼べる恍惚さを放っていたように思います。お尻を強調するためのパースづけや、お尻を突き出すためのポージング。また、カメラ側のパーツを誇張するために寄りの線画を太くし、線そのものにまでパースをつける拘りにはもはや脱帽する他ありません。なによりそれをここまで極限的に力強く描き、リファインしてみせた制作側の意気込みは、もはや“信念”そのものと呼ぶに然るべきものでしょう。

 

 また、それは多少の“嘘”も厭わないと声高に叫びながら描かれていたように私には思えました。関節の可動域や、ランドの狭さを無視したようなアクロバティックでダイナミックな大技まで、全ては格好良さを追求し描かれた匠の技巧そのものでした。そしてそれは『競女!!!!!!!!』という作品が抱える熱量をありのまま具現化した姿に他ならなかったのだと思います。

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例え距離感や時間感覚を意図的に改変しても、その全てを意味あるものとして噛み合わせ“画面”へと還元すれば、なにもかもが心地よさへと昇華する面白さ。むしろそれこそがアニメーションという表現の奥深さでもあるはずで、私はそうした作品としての幅の広さや意外性に強く心を震わされるのです。「リアリティラインに縛られるのではなく、自分たちでリアリティラインを引き上げていく」姿勢。もはやそれは“情熱”そのものに他ならないのでしょう。

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不可能を可能にするアニメイズム。クールで在り続けるために洗練された画面の奥行き。そうして描かれるいくつもの熱が一つの物語へと収束していく様を、本作にはまざまざと見せつけられたような気がしています。

 

鋭角な『尻(けつ)パース』と物語の深さは総じて比例していく。そんなある種の予感を感じさせてくれた第一話に相応しい挿話だったのではないでしょうか。これからが楽しみです。