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『機動警察パトレイバー』14話の砕け方

飲み会や酒の席の回を設けるというのは割合、色々な作品がやってきているようにも記憶してますが、そういう話の中で、日頃余り感情的にならないキャラクターが色々な表情を見せてくれるとなにかと得した気分になるというか、観ている内にこちらまで楽しくなってきてしまう面白さをそこに感じてしまうわけです。

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 特に『機動警察パトレイバー』に登場する香貫花クランシーは常に冷静で、クールな女性のイメージがあるのですが、ことこの14話に至っては酔いの効果もあり、わりと感情的になる場面が多く見受けられます。

 

赤面することもほとんどない彼女がつぶれる様は、それこそ本作では彼女の貴重なパーソナルな部分に成り得る描写だと思いますし、普段指揮を執る彼女が誰かに背を託すシーンというのも非常に貴重です。それこそ剣呑だった泉と香貫花をそれぞれ対立的な立場に見えるように描いていた前半のカメラワーク(睨み合ったり、視線を合わせないカット)から見れば、飲み会後半のシーンは特に二人を引き裂かないように描いているレイアウトが多く見られたように感じます。

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普段は隙を見せない香貫花をここまでお酒の力で潰すのも凄いですし、それでも先に潰れてしまった彼女に優しく上着を掛けるのが泉だよなぁと思えたのが、とても個性的で微笑ましさのあるシーンだったように思えました。

 

また、香貫花がお婆ちゃんと親密な関係にあるのは以前の挿話でも描かれていましたが、まさか(お酒が入っていたとは言え)泣いてしまうほどとは。そういうキャラクターの砕け方を上手く描いたのが今回の話の醍醐味でもあるなとは思いましたし、このくらいの挿話でこういう一面を見せてくれたのは、なんかこう、嬉しいものがありましたね。最近で言えば同じお仕事アニメである『SHIROBAKO』などでも、酒の席を介して個々のパーソナルな部分を描く挿話がありましたが、個人的にもやはりこういう話は好きで、いいなと思ってしまいます。

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またお酒は入っていませんが、南雲さんの表情が色々見れたのもとても楽しかったです。お酒の席の効果もあってか比較的、表情芝居のテンションが高い挿話ではあったように思うので、その全体的な雰囲気にあてられて彼女の芝居(作画・演技など)のテンションも上がったというのはあるのかなと思います。

 

そういう意味では全体的に女性陣の描かれ方がこれまで以上に可愛い挿話でもあったように感じました。それこそ、OVA、劇場版(Ⅰ)といった重苦しく、じとっとした空気を感じられるパトレイバーシリーズの雰囲気を作った押井さんが今回のような脚本を手掛けた、というのもなんだか面白くていいなぁとは思うところでした。それこそ、押井さんが監督をやられていたら同じ脚本でも同じようなフィルムになったかは分かりませんが。

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