テレビアニメOP10選 2017

今年もこの企画に参加させて頂きます。放映季順、他順不同、他意はありません。敬称略含む。視聴した作品からのみの選出で、選出基準はいつもと同様 「とにかく好きなOP」 です。

 

GRANBLUE FANTASY The Animation / GO

f:id:shirooo105:20171223222438p:plainf:id:shirooo105:20171223222538p:plainf:id:shirooo105:20171223221920p:plain

シルエットを生かした絵と印象的なカットで音を紡いでいくような映像美。どこか遠くを見つめるような視線も相まって、非常にエモーショナルで物語性の強いフィルムになっていたと思います。テロップ・フォントの使い方なども効果的で、らしさ全開。動きを余りつけずともこうも感動的な映像を仕上げられるのかと驚かされる、とても石浜真史さんの個性が滲み出ていたオープニングだったと思います。

 

冴えない彼女の育て方♭ / ステラブリーズ

f:id:shirooo105:20170513132151j:plainf:id:shirooo105:20170513132206j:plainf:id:shirooo105:20170513133110j:plain

こちらも同じく石浜さんが手掛けたオープニング。シルエットもそうですがテロップをタイポグラフィ的に使ったり、配置に気を配ることで非常に見栄えのするカットが多かったように思います。フレーム内フレームの視線誘導などもありつつ、映像の本筋である少女たちの感情、青春性をしっかりと捉え映像として表現しているのが本当に凄かったです。色味なども非常に凝っていた印象ですね、素晴らしいの一言。

参考:石浜真史さんの映像と演出について - Paradism

 

この素晴らしい世界に祝福を!2 / TOMORROW

f:id:shirooo105:20171223223247p:plainf:id:shirooo105:20171223223402p:plainf:id:shirooo105:20171223223444g:plain

『このすば』らしい楽しい空間を、テンポの良い曲にテンポ感あるカッティング、コミカルな作画で表現していたのが最高でした。キャラクターが楽しそうにしているとこちらまで楽しくなってきてしまう、その典型的とも言えるフィルムだったと思います。ドラムロールに合わせてめぐみんがロッドを回したりと音ハメにも余念がないのは洒落ています。

 

夏目友人帳 陸 / フローリア

f:id:shirooo105:20171223224759p:plainf:id:shirooo105:20171223224551p:plainf:id:shirooo105:20171223224522p:plain

これまでのこと、今のこと、そしてこれからのこと。ここまで続いてきた作品だからこそ描けるオープニングであると共に、夏目がこれまで見てきた景色をまるで「美しい」と賞するようなこの映像美は、今回演出を担当された中村亮介さんが手掛けたことが大きな要因の一つになっていたのではないかと思います。撮影効果を存分に駆使しつつ、サビの音の厚さをうまく秀麗な一枚絵で被せるドラマチックな見せ方。今回の映像では夏目の祖母が主役のような映され方をしていたのもあり、初めて観た時とても感動したのを鮮明に覚えています。

 

アイカツスターズ! / MUSIC of DREAM!!!

f:id:shirooo105:20171223225718p:plainf:id:shirooo105:20171223230823p:plainf:id:shirooo105:20171223225744p:plain

あの頃を振り返るような描写、これからを望むような描写、そして仲間を強調するような描写とこの作品が辿ってきたもの・辿ろうとしているものを非常にセンセーショナルに映し出していたと思います。ライブシーンでは小春も混ざり、そちらもとても感動的な仕上がりになっていました。「スタートラインを飛び越えた」その先に立つ今、それぞれがどんな夢を目標に追い掛けていくのか、それを見届けたくなるオープニングであったことがなによりも嬉しく、観ていて力の込もる理由でした。主題歌の歌詞をゆめ本人が書いていたことも本編で示唆されよりお気に入りになりました。

 

NEW GAME!! / STEP by STEP UP↑↑↑↑

f:id:shirooo105:20171223225134p:plainf:id:shirooo105:20171223225101p:plainf:id:shirooo105:20171223225243p:plain

キャラクターが元気に画面の中を動き回るのが観ていて本当に楽しく癒されます。中盤で4人がそれぞれワンアクション披露してくれるカットがとても好きで、何度も繰り返し観てしまいました。そこではとても秀麗で、力強い動きが見れましたが、コミカルなもの、丁寧で大事に芝居を起こされているものなど、多岐に渡る動きが見れるのもこの映像が好きな理由です。二期の主題である「どうなりたいか」、ということを端的に描いたフィルムにもなっていたと思います。また演出の木村泰大さんは本作と一期からの付き合いですが、本当に生き生きとした画面にするのが巧い方だなあと感じます。

 

ブレンド・S / ぼなぺてぃーと♡S

f:id:shirooo105:20171223230632p:plainf:id:shirooo105:20171223230552p:plainf:id:shirooo105:20171223230526p:plain

歌詞ハメここに極まれりと言った映像の楽しさ、歌詞の解釈、テンポの良さ。モーショングラフィックスを使い気持ちの良いポイントを加味し、基本は動かす、けれどテロップの使い方にも余念を忘れず終始遊び心が絶えないのが本当に素晴らしいです。もう挙げれば切りがないほどに好きな要素の詰まったオープニングだったと思います。ビビットな色遣いも印象に残りやすい要因かも知れません。まあ、なによりキャラクターたちが楽しそうに歌って、踊っているのが一番素敵なんですけどね。

 

ネト充のススメ / サタデー・ナイト・クエスチョン

f:id:shirooo105:20171223230116p:plainf:id:shirooo105:20171223230140p:plainf:id:shirooo105:20171223230212p:plain

陰影のタッチ、現実とネトゲの中を行き来するようなトリッキーな映像が物語と相まっていて良いです。楽し気なゲームの世界と、それでも抱える不穏な感情。フラッシュバックで差し込まれる過去も映しながら、ヒロインである盛岡さんの内にある言い知れぬ感情を抽象的に映像化してくれていたと思います。それでも彼女があの世界で見たものは確かなもので、その風景が盛岡さんの未来へと繋がっていくようなラストカットには毎回グッと込み上げるものがありました。とても物語的なフィルムだったと思いますし、それが本当に素敵でした。

 

Just Because! / over and over

f:id:shirooo105:20171223230948p:plainf:id:shirooo105:20171223231039p:plainf:id:shirooo105:20171223231012p:plain

擦れ違いや行き違い、想いをきちんと言葉にできない彼ら・彼女らの物語をそのままフィルムに収めたようなオープニングです。電車のモチーフや写真、印象的な足のカットなどはまさにそうした足並び良くとはいかない群像劇を象徴するようで、観る度、回を経る度に味わい深くなっていきました。最後は重なり合っていた花弁が舞いそれぞれの方角へ。どこまでも言葉数少なく、けれど雄弁で、非常にエモーショナルな映像だったなと思います。本編同様、細かい生活芝居が入っていたのも良かったです。

 

少女終末旅行 / 動く、動く

f:id:shirooo105:20171223231142p:plainf:id:shirooo105:20171223231246p:plainf:id:shirooo105:20171223231327p:plain

本編の静まり返るような映像とは対極にあるようなオープニングですが、楽しければ笑い、眠くなれば眠り、時に冗談を言い合うそんな彼女たちらしさを描いた映像でもあるのだと思います。終末を迎えた世界だからと言って人の心まで荒んでしまうわけでは決してない。感情に素直に、赴くままに。そんなコンセプトを感じられたことがとても嬉しかったです。映像面では白を基調にしたバックグラウンドがモスグリーンのコートとバッチリの色合いで非常に映えていました。音ハメにも余念がなく、ポージングの多彩さ、余白の使い方にはコンテ段階での良さやレイアウトの巧さも十分に感じられます。本当に素晴らしいフィルムです。

 

 

以上が今年のOP10選になります。他にも入れたかった作品は両手で数えるほどありましたが、仕方ないですね。どれも素晴らしいOPでしたが、携わったすべてのスタッフの方々にも感謝を。本当にありがとうございました。