テレビアニメOP10選 2015

毎年恒例のこの企画に今年も参加させて頂きます。11月も終わりを迎える頃合いにこの記事を更新するのが当ブログの通例ということで、少し早いように感じる方も居るかもしれませんがよしなに。例によって放映季順、他順不同、他意はありません。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準もいつもと同様に 「とにかく好きなOP」 です。



やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 / 春擬き

孤独であることの是非を問い掛けるようなモーショングラフィック。「本物が欲しい」と心からの叫びを投げつけ続けてきたこの作品の代名詞足り得るオープニングであったように思います。誰も居ない世界に一人佇む八幡とその影に交差しながら遠ざかる “本物” の行方。「今なんだ」の歌詞に向け、幾重にも寄せられた感情には強く胸を打たれてしまいました。おそらくは完成版放映までの繋ぎであった本映像ですが、このPVにこそ本作の矜持が託されていたような気がしています。



デス・パレード / Flyers

お仕事アニメでもある本作の登場人物たちが羽目を外しながら踊り、笑い、肩を組み合う姿につい笑顔がこぼれてしまう楽しさ満天のオープニングセレモニー。本編で描かれるシリアスな現場も彼らの手によれば一瞬にしてエンターテイメントに変えられてしまう映像のコンセプトが大変愉快です。人生賛歌のような、それでいてただ悪ノリが過ぎているような。まぁ難しく考える前に一緒になって踊り狂うのがきっと正解なんだとは思います。




アブソリュート・デュオ / Absolute Soul

説明不要の江畑諒真ディレクションのOP。相も変わらずな重心移動の妙とダイナミックな動きが本当に生き生きとしていて、観ているだけで高揚感が募る映像だと思います。揺り戻しの格好良さというか。男子生徒が拳を合わせるシーンが一番のお気に入り。あとアイスダンスのくだりはもう何でアイスダンスなのか全くもって分からないんですが、とにかく格好良ければそれでいいんだよとどうしても身も蓋もないことを言いたくなってしまいます。本当に素晴らしいです。



アイドルマスター シンデレラガールズ / Star!!

まだ誰もが燦然と輝くステージの向こう側に疑いを抱いていなかった頃の眩しい記憶。私たちならやれる。楽しいことが待っている。そんな期待感に溢れるこのフィルムが私は大好きです。また、印象的であった 「10センチの背伸び」 というフレーズには凄く思い入れがあるというか、むしろこの時からこの作品は彼女たちの言うところの “魔法” が 「貴女たちの勇気」 であることを語り掛けてくれていたのだと思います。リスペクト 『READY!!』 だなぁ、という側面もありつつ。アイマスらしく、シンデレラらしい映像になっていたのではないでしょうか。



グリザイアの楽園 / 刹那の果実

過酷な人生に対峙する少年少女の姿を真っ向から捉えたフィルム。URAムービーの真髄足る変幻自在のモチーフとベクトルの効いたムービングが織り成す僅か1分30秒の物語。本作の複雑な群像性をこうも流麗に纏め上げることが出来るのかとまさに膝を叩く思いでした。転がり込んできたボールが機銃へと変化していくワンシーンには感動すら覚える程。



のんのんびより りぴーと / こだまことだま

四季折々の自然の中をいつもと変わらないペースで歩いて行く4人の姿がとても眩しく、彼女たちを眺めているだけでつい涙が溢れてきてしまう程。またこの曲を聴きながら歩いているとつい音楽に合わせ足踏みをしたくなるというか、なんだかれんちょんたちと並びながら同じ風景を視ることが出来ているような気がして、幸せを感じます。とりわけnano.RIPEの曲は以前からよく聴いてはいたのですが、改めて本作の主題歌を担当されたのがこの方々で良かったなとも思えました。たったワンカット、蛍の視点が不意に差し込まれるのも凄く良いですね。ああしてしっかりと個々のキャラクターにも寄り添えるのが本作の強みなんだと思います。




ランス・アンド・マスクス / Light for Knight

箱庭に閉じ込められた少女の嘆きをワンカットで魅せる大胆さ。色トレスと薄い色彩で表現された世界は今にでも崩れ去ってしまいそうな程に弱々しく、この映像全てが彼女の深層下にある心象風景そのものを表しているようにさえ思えます。泣き顔は言うに及ばず、繊細なタッチで描かれた四肢の表情づけも大変素晴らしいです。凄く感情的なフィルム。堪らないものがありますね。



落第騎士の英雄譚 / アイデンティティ

旧来の大沼心イズム溢れる映像で、まさしく待ち望んでいたと言わずにはいられない素晴らしいオープニング。フレームを遣いキャラクターの二面性を見せる手法は相変わらずな巧さで、多彩な色を遣わず敢えて黒と白を基調に攻める魅せ方も大変好みです。アクションシーンも決まってますし、クールで熱い主題歌に凄くマッチした映像だったのではないかと思います。物語の転換点に合わせ少しずつ変化が見られるのも大沼ファンとしては嬉しいところ。また憂うようなステラの表情が凄く良いというか、こういう少女の内面にまでしっかりスポットを当ててきてくれるのは本当に嬉しいですね。



ハッカドール THE あにめ〜しょん / Touch Tap Baby

こういうキャラクターの可愛らしさとアニメーションの楽しさ詰め込みましたみたいなPV本当に大好きです。シンプルで観ているだけで楽しい気持ちになれるのは勿論のこと、それぞれのキャラクターの性格が一目で分かるのも良いですね。画面の中を縦横無尽に駆け回る姿にはつい表情が綻んでしまいます。枚数が全てじゃねえよなぁ、アニメは。そんな小言もつい零れてしまいそうになったのはここだけの話。



俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツされた件 / イチズレシピ

狂気の沙汰としか思えない冒頭の映像から謎のマッチョ落ち。もはや一目惚れするなというのが無理な話だったのだと思います。軽快なアイドルソングに電波的なシーンの数々が絶妙な塩梅で合わせられていて、なんとも言えない味わい深さが滲み出ているのもいいですね。九条さんのサイリウム芸が二度拝めるのも小町的にポイント高いです(遣い回しじゃないよ!)。なんというか、全体的に理屈じゃないんだよなぁっていう。こういう映像は一度嵌るとなかなか抜け出せなくなるので注意が必要です。





というわけで、以上が2015年度テレビアニメOPの10選作品となります。

他にも大変素晴らしいOPは幾つかあったのですが、やはり 「好きなOP」 という括りで考えればこの選出だろうということで今回はこのような結果にさせて頂きました。なにを選出し、なにを外すのか。苦渋の決断ではありましたが、こうして選出した作品を改めて眺めていると、やはり自分としても自信を持ってこれだと言える選出になったのではないかなと今は思えています。それに最後まで悩んだあの辺りの作品はきっと他の方が選出してくれると思いますので。というわけで、今年も一年。本当に素敵な映像体験をありがとうございました。OPって本当にいいものですね。



今年のED10選の記事はこちらです → テレビアニメED10選 2015