テレビアニメED10選 2015

前回の記事に引き続き、今回はED10選となります。放映季順、他順不同、他意はなし。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準はOPの方と同じく 「とにかく好きなED」 です。



冴えない彼女の育て方 / カラフル。

それぞれのヒロインが持つイメージカラーを生かした画面構成がとても綺麗で、各キャラクターの可愛らしさが溢れ出たフィルム。花のモチーフなんかも遣いつつ、柔らかい色遣いと色トレスの組み合わせが絶妙な塩梅です。恋心を糧に火花を散らした青春の小休止。ゆったりとした曲調に沢井美空さんの透き通るような歌声がまたピッタリと嵌ってますね。



Go!プリンセスプリキュア / 夢は未来への道

年々進化するプリキュアCGダンスシリーズも遂にここまで来たかと驚きを隠せなかった本作。表情の豊かさもさることながら、今まで以上にミュージカル的で、ゴージャスで、華麗で、可愛らしさよりも “美しさ” や “優雅さ” に力点を置いた映像になっていたのではないかと思います。プリンセスの名に恥じぬ見事なクオリティ。何よりトゥインクルの美麗さには感動すら覚えますね。向こう百年は美しさの代名詞として語り継がれるべき。



SHIROBAKO / プラチナジェット

「アニメをつくる」 ことの意味を幾重にも重ね描いてきた本作だからこそ、ここまで真っ直ぐな直球を投げ込めるんだろうなぁと感動したこのモーショングラフィック。次々と重なるレイヤーの数ほどに人の想いと苦悩が込められたアニメーションの奥行き。そうして行き着いた先には一体何があるのだろう――、そんな途方もない問い掛けに応えるかのよう描かれた宮森の笑顔に、ああ、それはきっとこのためなんだろうなぁなんて納得もありつつ。シンプルな構成ではありますがカメラワークや色遣いからは力強さも感じられますね。神田智隆ブランドの信頼度の高さをまた一つ裏付けてくれたとても素敵なEDだと思います。



アブソリュート・デュオ / Believe×Believe


女性的なフェティシズムと少女が大人への階段に少しだけ足を掛け始めた頃合いの色気を抜群の感性で捉えたこのフィルム。非常に物語的であり、セクシャルな映像でもあるので、観ていてグッと惹き込まれるものがありますし、観終えた後には目頭が熱くなるような一種の開放感さえ感じられる程です。画面一杯に舞う桜がまるで彼女の門出を祝福しているかのように観えるのも良いですね。一人の少女が最愛のひとを見つけるまでの物語をとても深層的に描いた映像になっていたのではないかと思います。西田亜沙子さん特有の繊細なフォルムも素晴らしいです。どことなく 『電波女と青春男』 も想い返されます。



ハロー!!きんいろモザイク / My Best Friends

なんかもう好きなものが詰まり過ぎてて明確に何が良いのかをコメントするのもわりと面倒なんですが、幸せ成分を濃縮して丸めてこねて小瓶に詰めましたみたいな 「ギュッ」 って感じがもう本当堪らないんですよね。それこそまるで彼女たち5人が “幸せだ” と感じたことの全てが詰まったアルバムを少しずつ捲っているような感覚なんかもあって。観ていて心から安らかな気持ちになれるEDだと思います。あとアビーロードをアニメのキャラが歩くとか、そういうの。本当それだけで嬉しくなっちゃうんだから私も相当ちょろい方なんだろうなぁとは思います。



長門有希ちゃんの消失 / ありがとう、だいすき

もう一人の自分。もう一つの世界。そんな葛藤に悩む物語上の構図をこうも真っ直ぐぶつけて来られたら誰だって目を逸らせるわけがないんだよなぁとか。彼女に向け “可能性の物語” を贈りつけることの是非とその残酷さ。それでも “その先の物語” を彼女が望むと言うのなら私から投げ掛けられる言葉はもうどこにもありません。「それはな長門、感情ってヤツなんだよ――。」 その言葉の意味を今一度噛み締めるためのこれはアンサーフィルム。今はただこの物語が “長門有希の見た夢” で終わらぬことを切に願うばかりです。



赤髪の白雪姫 / 絆にのせて

ファンシーな装飾に繊細で美しい一枚絵をなだらかに魅せていくのがまさしく出合小都美さんらしいというか。華やかでいて落ち着いた色遣い、観ていてしっとりと心に沁み込んでくるような優しい映像。焦らずじっくりと二人の愛を育んできた本編に負けないくらい情緒的で心揺さぶられるEDになっていたのではないかと思います。同じく出合さんで言えば 『緋弾のアリアAA』 とで少し悩みはしたのですが、まぁ作品への想い入れの差で決まってしまった感じはしています。



グリザイアの楽園 / きみを探しに

“還る場所” を守るため世界と対峙する少女たちの物語。そうした本作における大枠のテーマをとても綺麗に紡いでくれたこのフィルムですが、数あるグリザイアシリーズのEDの中でもやはりこれが一番のお気に入りですね。シルエットを基調とした映像のクールさと残影的な哀愁のイメージのどちらもが主張し過ぎないよう、しっかりと一つの画面に収まっているのも本当に巧いと思います。光にそれぞれのヒロイン像が照らされ浮かび上がる、というコンセプトも凄くこの作品らしくて良いです。完成度が高く全体的に凄く格好良いフィルムになっていると思います。



血界戦線 / シュガーソングとビターステップ

キャラクターが楽しそうにしていればそれだけで楽しいし、心も満たされる。そんな当たり前のことを今一度、改めて思い知らされてしまったように感じています。こういうのが堪らなく好きだからアニメを観てるんだっていう。アニメーションの醍醐味や快感。その多くが詰め込まれている贅沢極まりないフィルムだと思います。それこそ何万語費やすより、とにかく観た方が早いよって言いたくなるような、そういう映像の代表格なんじゃないでしょうか。



Charlotte / 灼け落ちない翼

「どんなに小さな星の軌道でさえそこに “存在する” のなら、決して私たちは見逃したりしないのだ」 と語り掛ける本作のテーマに沿った非常に美しいカットの数々。定点観測を据え、見守る視線と見守られている人々の想いを真っ直ぐに繋いでいる辺りが凄く良いなぁと。同じ空の下に居るのだから会えないなんてことは決してない。人の弱さを正面から受け止めたこの作品だからこそ、こういうことを臆面もなく描けるんだよなぁとか。改めて観返すと本当に素敵な映像に仕上がっていたことを痛感させられます。





というわけで、以上が2015年度テレビアニメEDの10選作品となります。

今年は記事を書く時点でこれだ!と決まっているものも少なくて、なかなか難航するかなとも思っていたんですが、いざ気になるものを繰り返し観始めると自然と枠が埋まり、割とあっさり決まってしまった印象があるので選出に関しては特に苦渋することはなかったように記憶しています。なので今回は派手さや凄さに圧倒されて選出みたいなのは少なくて、葛藤もなく素直にこういうレパートリーをずらっと並べられたのは良かったかなと思います。なんか偏ってるなぁとは思いますけど、まぁこれが私の好みなのでしょうがないです。

それこそたった一分数十秒の映像なのにこうも観返すと色々と発見があるんだなぁと改めて知ることが出来たのは嬉しかったですね。分かっていたようで、分かっていなかった。この尺ですらそうなんですから、本編なんてまだまだ見つけることの出来て居ない魅力や素敵できっといっぱいなんでしょう。アニメって本当に深い。どこまでも自由に潜っていけるんだなぁと。来年こそはもっと。そんな気持ちも持ちつつ、今は今年の出会いにしっかり感謝しようと思います。

というわけで、今年も一年。本当に素敵な映像体験をありがとうございました。たくさんの良きOP・EDに出会えてとても幸せな一年でした。関わった多くのクリエイターの皆さんに心からの感謝の想いを込めて。



今年のOP10選の記事はこちらです → テレビアニメOP10選 2015