最近観たアニメの気になったこととか7

f:id:shirooo105:20210820103626g:plain*1

小林さんちのメイドラゴン』6話。才川のコミカルな性格と現実に根づいた芝居がとても好きでした。後ろに倒れてからそのまま足を上げた状態でカットが終わってもいいような場面ですが、ベンチへ足先が下りるところまでしっかりと描いていたのがツボで、その際に「カツン」というSEがしっかり鳴ることでより現実感が生まれる感じがしました。

 

そのまま同じカットの中でカンナが視線を変えたり、後ろをモブが歩いていたりと時間の流れを感じられるのも素敵でした。やっていることはコメディですが、そういうことも含め、すべて二人で過ごす大切な時間の内側にあるものなのだということを強く意識させてくれていたと思います。奇しくも今回の話は緩やかに流れる時間の中で違う種族が分かり合えていく様を寡黙に描き出していた回でもあったので、お話し的にもこういったシーンをしっかりと描いてくれるというのはなんだか嬉しくも感じられました。静かな川の畔 (ほとり) で過ごす一幕。その日常感、普遍性と芝居の面白さやアイディアが強く噛み合ったカットだと思います。

f:id:shirooo105:20210820103708g:plain

死神坊ちゃんと黒メイド』7話。触れ合うことの出来ない二人でも夢の中でならそうすることが出来る。それを強く実感させてくれるようなしっとりとした指先の芝居が非常に感傷的で、感動しました。以前ふれたダンスシーンでの手の芝居 (触れたいのに触れることを自制するような芝居) と対を成しているような感じもして、余計にくるものがありました。また坊ちゃんの分かりやすい指先の芝居に反して、アリスは微々たる動かし方なのも良いです。噛み締めるような、分ちあうような。そんな感情の質感を伴っていたのが素敵でした。

f:id:shirooo105:20210820103754g:plain

ラブライブ!スーパースター!!』4話。すみれが意を決してかのんたちの仲間に加わった直後のカット。雨のあとに晴れ渡る空が描かれるというのは物語的にもラブライブ的にも京極さん的にもらしいなと思わざるを得ないのですが、より感動したのはその映し方でした。

 

まるでこの世界はこんなにも広く自由なんだというすみれの実感をそのまま絵に写しとった様なカメラワーク。彼女の足元が映るカットではレンズ感が広角どころか魚眼的にまでなり、よりすみれの視界の広がりを描いてくれていたように感じます。些細ではありますが、足元の体重移動を意識した芝居づけにも痺れるというか。より一歩前に踏み出す感触があって、前のめりに、やってやる!という今にも溢れ出しそうな彼女の感情の奔流を感じられたことが堪らなく愛しく映りした。

*1:サムネ参考画像:

f:id:shirooo105:20210820104957j:plain