ヤマノススメ

アニメにおける瞬きと感情、その芝居について

「目は口ほどにものを言う」とはよく言ったもので、それは物語を描くアニメーションの世界においても決して例外ではありません。言葉はなくとも表情や仕草で伝わるコミュニケーションの妙。それをより良く体現しているのが瞳の存在であり、それを取り巻く目…

『ヤマノススメ サードシーズン』10話の演出について

7話から描かれ続けてきたあおいとひなたの擦れ違い。おそらくは、あおいの成長、交友関係の広がりに対して “遠ざかっていくような感覚” をひなたが覚えてしまったことが原因の一つになっていたのでしょう。どこへ行くにしても常に傍にいた存在が少しずつ “自…

『ヤマノススメ サードシーズン』2話の演出について

*1 特徴的で可愛らしい表情、フォルム、皺のニュアンス、デフォルメ。挙げれば切りがないほどに素敵な作画を見せてくれた本話でしたが、少しアンニュイな空気を抱えた今回の話にとっては、あおいの心情に寄り添った演出がとても良い補助線を引いていて話に引…

『夏 ここなの8/31』の広角・魚眼レンズと狭さについて

『ヤマノススメ おもいでプレゼント』present1はここなとお母さんの話でしたが、まず驚いたのは広角、魚眼レンズで映したような画面設計の多さでした。シリーズの中でも広角を意識していると思われるカットはあったと思いますが、一つの話数の中でここまで…

『ヤマノススメ』5話の素晴らしさを語る

「ひなたと一緒に居ると碌なことがない」。そんな一期1話のエピソードを思い出すようなアバンのやり取りから始まった今回の話でしたが、そんな微笑ましい会話も束の間、ちょっとしたことから二人の仲がこじれてしまうことは往々にしてあるもので、この挿話も…

『ヤマノススメ』4話の素晴らしさを語る

往路の3話、復路の4話と二部構成となっていた今回の話ですが、その実はただ登って降りるだけ二話構成というわけでは決してなく、そこで描かれていたものは紛うことなく“山へのススメ”であったように感じられました。それも簡潔に言ってしまえば、あおいの目…