アニメ雑感
昨晩、『ルックバック』を観ました。この作品が読み切り漫画としてインターネットで発表された当時、この作品を読み、どういった感情を抱いたかはもう鮮明に思い出すことは出来ません。その理由はあの漫画を読み生まれた感情のほとんどを、私自身が覚えてお…
*1 『葬送のフリーレン』1話。これはフリーレンが新たな旅立ちに足を向けるシーンのラストカットですが、BOOK処理され画面奥からせり上がってくる丘の風景がとてもエモーショナルで良かったです。新しい冒険の始まりを "新しい風景の提示" と同期させ、演出…
6月に入るまでは観るつもりがなかった劇場版ウマ娘 "新時代の扉"。幾人かの友人たちの勧めに加えて、地元の映画館の音響が良いスクリーンで上映している内に観ておこうと気持ちが前向きになったこともあり、本日鑑賞してきました。その中で色々と想うことや…
幾人かの友人達に「観てみて」と言われていた『サイバーパンク:エッジランナーズ』をようやく観ました。一言で言えば後味に苦みのある耐え難き心境を迎えているわけなんですが、そんな今の感情が落ち着きを取り戻し凪いでしまう前に一度文字に起こしておき…
先日、現在六本木にて開催されている櫻坂46の展示会『新せ界』にようやく行くことが出来ました。各衣装やCDジャケット、MVに至るまであらゆるコンセプトについて触れられ、それが形態を持って彼女たちの成長過程と共に記されたまさに圧巻の展示会でした。展…
『ぼっち・ざ・ろっく!』5話のワンシーンについて - Paradism 先日更新した記事でもふれた『ぼっち・ざ・ろっく!』5話における自動販売機前のシーン。少女の心奥底に隠された感情の一片 (ひとひら) を照らし、その輪郭を浮き彫りにする舞台装置として自販…
『明日ちゃんのセーラー服』7話。体育館の下窓から零れる光がフットライトの替わりとなって二人を照らしていたのが印象的でした。逢瀬。密会。秘密の共有。そもそもが各々の秘密を知り合う構成の話ではあっただけに、こういうカットが描かれたのは納得しかな…
「死にたかった」という強烈なワードが印象に残りこびりつく、22/7の新曲『曇り空の向こうは晴れている 』 。しかし、その実情は "いつかはそこへ光が指す" ことを鮮明に記した生きるための道標 (みちしるべ) そのものでした。何処かで誰かが抱えているであ…
『カッコウの許嫁』3話。シーン展開というか、劇伴のつけ方やそれ以前の会話、カットの構成があってのものではあるんですが、やはりここの芝居は本当に素晴らしかったなと思います。劇伴の抑揚に合わせるよう差し込まれるノブを捻るカット、キュッというSEと…
両場面とも2話終盤で描かれたバックショットでしたが、各々が今話の行方を見守る様な質感を持っており、とても感動させられました。まず左のカットについてですが、和 (なごむ) と一果の馴れ初め、関係性を踏まえればとても得心のいくカットだと感じられます…
最近と言うよりは、昨年末に観て印象に残ったものについて少し。まず『王様ランキング』9話。ドルーシとヒリングの過去が描かれる回想シーン。ドルーシの台詞にあったようにそれまでは不器用で、どこか子供に対しても高圧的な印象が抜けないヒリングの姿が描…
*1 『その着せ替え人形は恋をする』5話。五条君が喜多川さんに惹かれ始めていることを示唆するシーン。契機となったのはこれより前に描かれていた喜多川さんがにひっと笑うカットだったと思いますが、個人的により印象に残ったのはこちらのカットでした。当…
『女神寮の寮母くん。』5話。傘を広げたら内側に夜空と月が描かれているっていうのがすごく良いなと思いました。月のパワーが満ちていないと遠出できないせれねに対する粋な計らい。なんだか『sola』を思い出すエピソードでもあったなと。あと貰った傘を広げ…
*1 『小林さんちのメイドラゴン』6話。才川のコミカルな性格と現実に根づいた芝居がとても好きでした。後ろに倒れてからそのまま足を上げた状態でカットが終わってもいいような場面ですが、ベンチへ足先が下りるところまでしっかりと描いていたのがツボで、…
『死神坊ちゃんと黒メイド』2話。魔女に呪いをかけられ他者に触れることが出来なくなった坊ちゃん*1が、愛する人を想い月をみる、というシチュエーションがとても儚く素敵だったなと。想い人であるアリスの存在と月が重なるような感覚を覚えるカット。近く…
*1 『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』1話。AIであるヴィヴィと人との違いを感じさせない芝居。序盤のシーンではありますが、ここでこの芝居が描かれる意味って自分の中では凄く大きかったなと思います。人の感情と呼べるものに対しまだ鈍い反応をみせる彼女で…
『やくならマグカップも』3話。全体的にシリアスな空気感の中で話が進んでいく回でしたが、こういったロングショットで登場人物たちの中に流れている時間を共有させてくれたのが凄く良いな、と感じました。奥から手前に歩いてくる二人、他愛もない会話。緊張…
本編の映像的な暗さ、暗澹たるストーリーラインを打ち消すよう描かれた今回のエンディング。壁の外へ希望を見出したエマたちと同様、格子の向こうに光をみるファーストカットから紡がれていくカットの多くは、そんな希望的観測に満ち溢れた質感を携えていま…
*1 もはや最近とは、という感じではありますが前回の記事から今までの間に観たアニメについて。まずは『虹ヶ咲学園』6話。侑の言葉に璃奈が反応したカット。「璃奈ちゃんのライブが観たい」「今はまだ出来ないことがあってもいいんじゃない?」と言われたこ…
*1 前回の続き。『薄明の翼』7話。1話のリフレイン的な導入からさらにその先へ進んでいくようなイメージショットの数々。その中で、一番印象に残ったのがこのカットでした。これまで『薄明の翼』では光と影の境を穿つようなレイアウト、ライティングが強く生…
『彼女、お借りします』3話。すごく良い表情芝居とか感情がダイレクトに出る感じがとても好きな作品なんですが、3話のこの表情が本編を通して一番好きでした。主人公の和也って原作だと話が進むにつれこういう表情をよくするようになるんですが、それが垣間…
自分から新番を調べたり録画したり。そうやって能動的にアニメを観始めてから既に約10年が経っていたわけですが、先日調べたところちょうど今日がアニメ感想ブログを始めてから10年目になるそうです。なんとなく他人事なのは余りそういう実感がないからなん…
空中幼彩さん、渡辺明夫さん、URAさん、そしてUさんの歌声。彼らが織りなす化学反応と言えばもはや振り返るほどに懐かしい約10年前の映像が思い出されます。それが『魔界天使ジブリ―ル4』OP。女の子らしいまるっとしたデザインと、可愛いらしく大胆な動き、…
先日公開された新海誠監督最新作『天気の子』の予報第二弾。キャッチーな見せ方を取り入れつつ、楽曲に同期していくカッティング、添えられるモチーフの数々など節々に新海監督らしさを感じられたのがとても良く、胸を打たれました。『言の葉の庭』で深く掘…
『涙の数だけ』。このサブタイトルが示していた通り今回もローラにとっては厳しい結果となったアイドルフェス。決して順風満帆とは言えない彼女のアイカツ人生には辛く険しい道のりも多く、ここぞという場面で勝者の後塵を喫してきたその軌跡が度々涙に濡れ…
本物の黄金と酷似した鉱石、フールズ・ゴールド。これを気に入っている、と語ったのは本作の登場人物である築城院真鍳ですが彼女はその理由を次のように語っていました。 「私がこれを気に入っているのはね… 欲をかいて一喜一憂、こんな “くだらないもの” の…
動揺や不安。そういった負の感情への煽り方が本当に巧かったと思います。トールが部屋を出ていく時に始まり、ベランダで空を煽ぐ姿への閑静な繋げ方、カンナが部屋へ戻るとグッと画面の明度が下がり影面積の多い作画になり、音も消える。これは一話や二話、…
鎧塚みぞれ、傘木希美の行き違いを描いた二人の物語。紆余曲折を経て辿り着いた場所は、美しいとしか形容出来ない安堵の幕切れをもって私に強い感動と喜びを与えてくれました。 しかし、この物語は二人によって解決したわけでは決してありませんでした。なぜ…
夏の陽射し。流れゆく景色。淡々と進むフィルム。熱い恋愛ものとは程遠いまでに感情的になることを抑えつけるこの映像は、まるでそよ風のように心地良い読後感を与えてくれました。 それこそ主人公である杜崎が本作において激情にかられていたのはどれも怒り…
ヒロインであるあかりの回想から物語が始まり、オープニングを経て、モノローグから校舎内のカットへと切り替わるまでの流れが本当に圧巻で、久々に一話から肌がヒリつく感覚を覚えました。それこそ特別に派手なアクションや尖った演出があるわけでは決して…