“この登場人物たちは今なにを見て、なにを想っているのだろう”。それは、私自身がアニメを視聴する際に強く考え、知りたいと願う部分の一つでもあるわけですが、そうした疑問に対する一つの応えをこの作品は鮮明なイメージを持って、いつも誠実に応えてくれ…
前半のお弁当対決パートが『ワイルド・ファイア』だったとか、手の芝居から山田尚子さんらしさが溢れてたとかビジュアル的には色々あると思うんですが、足元にカメラを寄せていくのはなんか直近の『聲の形』を思い出したりして良かったなと感じました。もち…
Bパート終盤。アッコの退学を巡る一悶着を描いたシーンですが、この辺りのカメラワークに強い物語性が内包してあったのが凄く良かったです。基本、最初は退学の可否を決める校長先生とアッコの間に想定線が置かれるていたと思うのですが、会話が進むにつれ会…
アバンのカットで思い出したのは『無彩限のファントム・ワールド』6話でしたが、どちらのカットにも根源的には『MUNTO』という作品の影を大きく感じてしまいます。それも本話のコンテ演出を担当されたのは同作品の監督をされた木上益治さん。正直、繋げて語…
光源側にトールが立っているというのが非常に示唆的だったカット。周囲から「変わった」と言われる小林さんを “変えている” のは一体誰なのかということが非常にセンシティブに描かれていたと思います。陰影を意識した画面の構成はこれまでも何度かありまし…
誰がなにを見つめていて、そこにどんな想いが託されているのか。そんな数多くの情報をしっかり汲み取ってくれる京都アニメーションの作劇はだからこそ人間味に溢れ、感情的なフィルムへと昇華されていくのでしょう。トールの手を小林さんが引いていくシーク…
ドラゴンの少女トールが小林さんの家に訪問してからの一連のシークエンス。上手側に小林さんを置くことで物語は彼女を主体に据えるところから始まります。つまりトールを自分の家で雇うかどうかの選択によってこの物語は始まっていくといことです。逆にトー…
今年のアニメを振り返る意味も兼ね、今回もこちらの企画に参加させて頂きます。 ・2015年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。 ・1作品につき上限1話。 ・順位は付けない。 集計ブログ様:「話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ1…
あすか先輩と久美子のやり取りを描いたBパート。本編全てが素晴らしかった今回の挿話でしたが、ことここのシーンに関しては観ているだけで震えが止まらず、久美子が泣き出すのと同じくらいから私も堰を切ったように泣いてしまいました。もちろん、力の込もる…
序盤からのエモーショナルなカット。この辺りのシーンで既に身体は前のめり気味になっていたんですが、以降描かれる各登人物たちの芝居、そこに込められていたであろう様々な感情からは、動きの繊細さや動かすことへの熱意といった幾つもの感動を強く感じる…
鎧塚みぞれ、傘木希美の行き違いを描いた二人の物語。紆余曲折を経て辿り着いた場所は、美しいとしか形容出来ない安堵の幕切れをもって私に強い感動と喜びを与えてくれました。 しかし、この物語は二人によって解決したわけでは決してありませんでした。なぜ…
夏の陽射し。流れゆく景色。淡々と進むフィルム。熱い恋愛ものとは程遠いまでに感情的になることを抑えつけるこの映像は、まるでそよ風のように心地良い読後感を与えてくれました。 それこそ主人公である杜崎が本作において激情にかられていたのはどれも怒り…
ヒロインであるあかりの回想から物語が始まり、オープニングを経て、モノローグから校舎内のカットへと切り替わるまでの流れが本当に圧巻で、久々に一話から肌がヒリつく感覚を覚えました。それこそ特別に派手なアクションや尖った演出があるわけでは決して…
『NEW GAME』3話を観て衝撃を受けました。3話は全体的に観ても大変素晴らしく、キャラクターたちの感情の乗り方やその想いを映して描かれる仕草への拘りが非常に色濃く出ていたわけですが、その中でもBパート終盤のベンチに腰を掛けてからの一連のシーンは溜…
物語も佳境に差し掛かってきた『キズナイーバー』7話。語られたのは常にポーカーフェイスを決め込む牧穂乃果の過去と今の彼女に至る出生の秘密だったわけですが、その軌跡に描かれていたのはやはり辛く険しい物語そのものでした。 信じたい気持ちと信じた先…
被写界深度を浅めに据え、まるで一人ひとりの物語を切り取るかのよう誰に向けても優しい視線を傾けてきた作品 『響け!ユーフォニアム』。まだ成長途上であった少年少女の表情をしっかりと収め、そのまなざしの先に”夢“を託す本作の姿勢は終始一貫して、この…
今年のアニメを振り返る意味も兼ね、今回もこちらの企画に参加させて頂こうと思います。 「話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選」参加サイト一覧 ・2015年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。 ・1作品につき上限1話。 ・順…
前回の記事に引き続き、今回はED10選となります。放映季順、他順不同、他意はなし。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準はOPの方と同じく 「とにかく好きなED」 です。 冴えない彼女の育て方 / カラフル。それぞれのヒロインが持つイメージカラー…
毎年恒例のこの企画に今年も参加させて頂きます。11月も終わりを迎える頃合いにこの記事を更新するのが当ブログの通例ということで、少し早いように感じる方も居るかもしれませんがよしなに。例によって放映季順、他順不同、他意はありません。敬称略。視聴…
衝撃でした。瞳以外のハイライトが回転しないなどといつから錯覚していた、とでも云わんばかりの見事なハイライト表現。特に茜の脚に至っては質感やフォルムも艶やかでいて肉づき感がよくとても素晴らしいものに描き上がっていた印象なんですが、まさかこう…
遂に最終話を迎えた『響け!ユーフォニアム』。その映像と音楽の重なりはまるで心に焼きつく程に情熱的で、この作品の全てをその舞台の上に置いてきたであろう素晴らしい幕引きであったように思えました。それは麗奈の涙や「今に全てを掛けよう」とする久美…
密会の如く校舎裏でセッションを奏でる麗奈と久美子。その姿と表情に反射する陽の光はまるで、懸命に今を駆け抜ける彼女たちへ贈られた祝福そのもののようでした。それもおそらくは足元から光が反射していたに過ぎない映像ではある反面、その光はさながら舞…
些細な噂からオーディションのやり直しにまで話が大きくなってしまった『響け!ユーフォニアム』第11話。それもその舞台上をドタバタと駆け回り、まるで高坂麗奈への嫌がらせのように不正を叫び続けた吉川優子に至っては心底辟易とさせられていたわけですが…
「その美しさに惹かれ命を落としてしまう気持ちというものは、こういうものなのだろう」。そう語る久美子の心情が「私は今、この時なら命を落としても構わないと思った」と言い切るまでに変化する様子を捉えたBパート終盤。それはまるで久美子の瞳に映る世界…
『響け!ユーフォニアム』5話、本当に素晴らしかったです。中でもBパートから終盤までの流れが本当に最高で何回も観返してしまったのですが、観終えた後には必ずと言っていいほど深い溜息を突いてしまうくらい今回の話には良さを感じました。まず、久美子の…
今年のアニメを振り返る意味も兼ね、今回もこちらの企画に参加させて頂こうと思います。 「話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選」参加サイト一覧 ・2014年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。 ・1作品につき上限1話。 ・順…
約5年振りに観返した『けいおん!』11話。澪と律が喧嘩する話としてもかなり有名な本話ですが、その妙にリアルで冷たい空気を感じさせるこの回も私自身の中では大分トラウマとして記憶されていたためか、当時から今一歩「観直そう」という気持ちには至れてい…
前回の記事に引き続き、今回はED10選となります。放映季順、他順不同、他意はなし。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準はOPの方と同じく 「とにかく好きなED」 です。 未確認で進行形 / まっしろわーるど三峰真白のオンステージ。喜怒哀楽の表情…
昨年書いた記事から丸一年。季節も頃合いということで約1週間の遅れとなりましたが今年もこの企画に参加させて頂こうと思います。放映季順、他順不同、他意はありません。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準は毎年同様 「とにかく好きなOP」 です…
「ひなたと一緒に居ると碌なことがない」。そんな一期1話のエピソードを思い出すようなアバンのやり取りから始まった今回の話でしたが、そんな微笑ましい会話も束の間、ちょっとしたことから二人の仲がこじれてしまうことは往々にしてあるもので、この挿話も…