アニメ雑感

フールズ・ゴールドと物語、そして人 『Re:CREATORS』を語る

本物の黄金と酷似した鉱石、フールズ・ゴールド。これを気に入っている、と語ったのは本作の登場人物である築城院真鍳ですが彼女はその理由を次のように語っていました。 「私がこれを気に入っているのはね… 欲をかいて一喜一憂、こんな “くだらないもの” の…

『小林さんちのメイドラゴン』13話 最終回 いつかの未来と今について

動揺や不安。そういった負の感情への煽り方が本当に巧かったと思います。トールが部屋を出ていく時に始まり、ベランダで空を煽ぐ姿への閑静な繋げ方、カンナが部屋へ戻るとグッと画面の明度が下がり影面積の多い作画になり、音も消える。これは一話や二話、…

『響け!ユーフォニアム2』 4話 吉川優子という希望、その陽のあたる向こう側へ

鎧塚みぞれ、傘木希美の行き違い描いた二人の物語。紆余曲折を経て辿り着いた場所は、美しいとしか形容出来ない安堵の幕切れをもって私に強い感動と喜びを与えてくれたように思います。 しかし、この物語は二人によって解決したわけでは決してありませんでし…

『海がきこえる』の寡黙さと微熱

夏の陽射し。流れゆく景色。淡々と進むフィルム。熱い恋愛ものとは程遠いまでに感情的になることを抑えつけるこの映像は、まるでそよ風のように心地良い読後感を与えてくれました。 それこそ主人公である杜崎が本作において激情にかられていたのはどれも怒り…

『ToHeart』1話 冒頭7分54秒の情景

ヒロインであるあかりの回想から物語が始まり、オープニングを経て、モノローグから校舎内のカットへと切り替わるまでの流れが本当に圧巻で、久々に一話から肌がヒリつく感覚を覚えました。それこそ特別に派手なアクションや尖った演出があるわけでは決して…

赤い傘、心の壁、牧穂乃果曰く 『キズナイーバー』7話

物語も佳境に差し掛かってきた『キズナイーバー』7話。語られたのは常にポーカーフェイスを決め込む牧穂乃果の過去と今の彼女に至る出生の秘密だったわけですが、その軌跡に描かれていたのはやはり辛く険しい物語そのものでした。 信じたい気持ちと信じた先…

青春と敗者のためのアンセム、そして少女は飛翔する ―― 『響け!ユーフォニアム』 番外編を観て

被写界深度を浅めに据え、まるで一人ひとりの物語を切り取るかのよう誰に向けても優しい視線を傾けてきた作品 『響け!ユーフォニアム』。まだ成長途上であった少年少女の表情をしっかりと収め、そのまなざしの先に”夢“を託す本作の姿勢は終始一貫して、この…

『城下町のダンデライオン』 4話の脚の表現について

衝撃でした。瞳以外のハイライトが回転しないなどといつから錯覚していた、とでも云わんばかりの見事なハイライト表現。特に茜の脚に至っては質感やフォルムも艶やかでいて肉づき感がよくとても素晴らしいものに描き上がっていた印象なんですが、まさかこう…

『響け!ユーフォニアム』 13話の奥行き、その立体感

遂に最終話を迎えた『響け!ユーフォニアム』。その映像と音楽の重なりはまるで心に焼きつく程に情熱的で、この作品の全てをその舞台の上に置いてきたであろう素晴らしい幕引きであったように思えました。それは麗奈の涙や「今に全てを掛けよう」とする久美…

『響け!ユーフォニアム』 12話の演出について、その反射する光の向こう側

密会の如く校舎裏でセッションを奏でる麗奈と久美子。その姿と表情に反射する陽の光はまるで、懸命に今を駆け抜ける彼女たちへ贈られた祝福そのもののようでした。それもおそらくは足元から光が反射していたに過ぎない映像ではある反面、その光はさながら舞…

『響け!ユーフォニアム』 11話の感情、或いは吉川優子の物語

些細な噂からオーディションのやり直しにまで話が大きくなってしまった『響け!ユーフォニアム』第11話。それもその舞台上をドタバタと駆け回り、まるで高坂麗奈への嫌がらせのように不正を叫び続けた吉川優子に至っては心底辟易とさせられていたわけですが…

『響け!ユーフォニアム』 8話の演出について、そしてスカートは翻る

「その美しさに惹かれ命を落としてしまう気持ちというものは、こういうものなのだろう」。そう語る久美子の心情が「私は今、この時なら命を落としても構わないと思った」と言い切るまでに変化する様子を捉えたBパート終盤。それはまるで久美子の瞳に映る世界…

『響け!ユーフォニアム』5話の演出について

『響け!ユーフォニアム』5話、本当に素晴らしかったです。中でもBパートから終盤までの流れが本当に最高で何回も観返してしまったのですが、観終えた後には必ずと言っていいほど深い溜息を突いてしまうくらい今回の話には良さを感じました。まず、久美子の…

『ヤマノススメ』5話の素晴らしさを語る

「ひなたと一緒に居ると碌なことがない」。そんな一期1話のエピソードを思い出すようなアバンのやり取りから始まった今回の話でしたが、そんな微笑ましい会話も束の間、ちょっとしたことから二人の仲がこじれてしまうことは往々にしてあるもので、この挿話も…

『ヤマノススメ』4話の素晴らしさを語る

往路の3話、復路の4話と二部構成となっていた今回の話ですが、その実はただ登って降りるだけ二話構成というわけでは決してなく、そこで描かれていたものは紛うことなく“山へのススメ”であったように感じられました。それも簡潔に言ってしまえば、あおいの目…

『ARIA The ORIGINATION』4話は表情で語る

絵コンテ演出原画に井上英紀。『ARIA』シリーズ独特の空気感を大切にしつつ丁寧に描かれた今話における表情づけは、あらゆる賞賛の言葉が遥か彼方に霞んでしまう程の衝撃を私に与えてくれました。特に灯里が初対面の3人と一人ずつ会話を交わしていくシーンが…

『千年女優』へ馳せる想い

先月、以前から勧められていた『千年女優』を初めて観たのですが、その中で色々と思うところがあったので、そのことについて少し書いておこうと思います。それも一言で言ってしまえば “想いとか熱意の尊さ” みたいな、そんな凄くシンプルな話です。そもそも…

新海誠監督から見る風景『クロスロード』

先日公開された新海誠監督による短編アニメーション『クロスロード』。Z会のCMのために制作されたこの映像ですが、そこに込められた祈りのような想いは一貫して新海監督の根底に根付いたものを繊細に切り取ったフィルムであったように思えます。特に120秒ver…

2013年テレビシリーズアニメ話数単位10選

あけましておめでとうございます。年を跨いでの更新になってしまいましたが、昨年のアニメを振り返る意味も兼ね、今回もこちらの企画に参加させて頂こうと思います。 「話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選」参加サイト一覧 ・2013年1月1日〜12月31日までに…

『未確認で進行形』に寄せる期待

来年1月から新番としてスタートを切るアニメ 『未確認で進行形』。そのミュージックビデオが大変素晴らしかったので、その所感も含めここで紹介させて頂きます。 制作は動画工房。監督は藤原佳幸さんで、あの『GJ部』を手掛けていた方です。輪郭線の太さやス…

『ジブリールシリーズ』から『猫物語』への系譜

昨晩放送された『猫物語(白)』のOPが素晴らしかったわけですが、そのディレクターを担当していたのがなんとURAさん。美少女ゲーム・エロゲをそれなりに嗜んでいる方なら多くの人がその手によって手掛けられたデモムービーを視聴したことがあるのではないかと…

テレビアニメED10選 2012

前回の記事に引き続き、今回はED10選となります。放映季順、他順不同、他意はなし。視聴した作品からのみの選出で、選出基準は「とにかく好きなED」です(OPと同条件)。 ハイスクールD×D / STUDY×STUDY 2話本編視聴後の衝撃は今も忘れもしません。視線で追うこ…

テレビアニメOP10選 2012

今年もこちらの企画に参加させて頂きます。放映季順、他順不同、他意はなし。視聴した作品からのみの選出で、選出基準は「とにかく好きなOP」です。 偽物語 / 白金ディスコ 神前さんがまた素晴らしいものを創り上げてしまった。リズム良く刻まれる振り子感に酔…