『22/7 「あの日の彼女たち」』day08 藤間桜の演出について

独特な間合い、印象的なカッティング、そこに託された心情と関係性。少女たちの内面を寡黙に映すことを美徳とするかのような今シリーズの演出スタンスは健在でありながら、day04佐藤麗華編で描かれた関係性と対となるような見せ方で構成されていたのがとても…

『色づく世界の明日から』3話の演出について

Aパート冒頭のシーン。ここまでの話の中でも何度か使われたモノクロの演出ですが、そこから繋がる対比、その実際的な色味を見せるための構図・レイアウトにとてもドキっとさせられました。瞳美の主観としてモノクロに映るステンドグラスを映したあとに現実で…

『SSSS.GRIDMAN』2話の宝多六花に寄る演出について

グリッドマン同盟なるものの発足の傍らで鬱々とした表情を見せる少女、宝多六花。一話における戦闘の影響でクラスメイトが居なかったものとされてしまったことへのショックは隠し切れるものではなく、その心情を汲み取るレイアウト、陰影、距離感が非常にう…

『22/7 「あの日の彼女たち」』の演出について

光、音、レイアウト、芝居、台詞、時間。その枝葉まで如何なくコントロールされた繊細なアニメーションに衝撃を受けた『あの日の彼女たち』。二分にも満たない短編で描かれた本作は少女たちの感情を寡黙に語らない一方で、映像の側面から各々の内面・関係性…

劇場版『若おかみは小学生!』の芝居・身体性について

表情変化や歩き芝居に始まり、抱き寄せる芝居、ものを運ぶ芝居、屈む芝居、掃除をする芝居など、おおよそ生活の中で見られるであろうアニメーションを徹底して描き出した今作。日々人が営む中で起こす動きを描くというのは非常に難しいことですが、それを終…

『ヤマノススメ サードシーズン』10話の演出について

7話から描かれ続けてきたあおいとひなたの擦れ違い。おそらくは、あおいの成長、交友関係の広がりに対して “遠ざかっていくような感覚” をひなたが覚えてしまったことが原因の一つになっていたのでしょう。どこへ行くにしても常に傍にいた存在が少しずつ “自…

『ヤマノススメ サードシーズン』2話の演出について

*1 特徴的で可愛らしい表情、フォルム、皺のニュアンス、デフォルメ。挙げれば切りがないほどに素敵な作画を見せてくれた本話でしたが、少しアンニュイな空気を抱えた今回の話にとっては、あおいの心情に寄り添った演出がとても良い補助線を引いていて話に引…

『アイカツフレンズ!』13話のラストシーンについて

月に向かい手を伸ばし「まだまだ遠いな」と呟くみおをエモーショナルに切り取ったラストシーン。月灯りに照らされる質感がとても良く、モチーフやレイアウトなどカレンやラブミーティアに交錯した感情を抱いていたみおの内心をとてもよく描き出してくれてい…

『HUGっと!プリキュア』16話の演出について

全てにおいて素晴らしいとしか言いようがなかった本話ですが、まず最初に目を奪われたのは構図やレイアウトの良さでした。特に日常パートでの人物配置などは素晴らしく、それぞれの芝居や表情を一つの画面に乗せることで、その空間でのやり取りを楽しく生き…

『こみっくがーるず』と徳本善信さんの演出について

*1 1話序盤から目立っていたロングショットでの芝居。静かに始まる導入と各々が寮へ集まる過程をじっくりと描いていたのが素敵で、とても引き込まれる演出だったと思います。fix、長回しで遠くから二人を見守るようなカメラ位置は、さながら下校する二人の時…

『リズと青い鳥』鎧塚みぞれの仕草、掴むことについて

みぞれが髪を掴む仕草が描かれたのは、劇中でおそらく9回程*1だったでしょうか。寡黙にして映像*2で語ることが主体とされた本作にあって、彼女のこの癖は強く印象に残り、決して多くを語ろうとはしないみぞれ自身の感情を映すものとして重要な役割を果たし…

『リズと青い鳥』と微熱について

冒頭、鎧塚みぞれを中心に据えた描写から始まった本作は徹底して内面を覗き込むような映像で構成されていました。浅い被写界深度、表情を伺うようなレイアウトの数々は言葉ではなく映像ですべてを物語るように繋がり、その瞬間瞬間にみぞれがなにを思い、考…

『宇宙よりも遠い場所』11話の演出と、小淵沢報瀬の視線について

日本と南極の中継、その橋渡しを描いたアバン。そこで起きた日向を取り巻く不穏な出来事に誰よりも敏感に視線を傾けたのは他でもない小淵沢報瀬その人でした。なにかを堪えるような日向の仕草。小さく漏れる溜息。そんな些細な変化さえ、きっと報瀬にとって…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』7話のバレットタイムと添えた手の描写について

*1 ヴァイオレットが湖へ向け飛び立つと同時に始まるスローモーション。オスカーにとってその一瞬が永遠にも感じられる特別なものであることが描かれたワンシーンでしたが、彼女が浮かぶ木の葉へ降り立つことを契機に始まるバレットタイムは、その “瞬間” を…

反芻と遠望の先へ『宇宙よりも遠い場所』8話

自分たちのやりたいこと、向かいたい場所、胸に秘める想い。そんな幾重にも重なった感情を反芻しながら、これまでの物語の中で切実に訴えてきた本作にあって、今回の話はそれを再度描いたしたものとしてとても胸に迫るものがありました。モノローグでもなく…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』6話の演出について

リオンとヴァイオレットを交互に映すカッティング・カットバックが多く見られた今話。「こういう顔なんだ」と言ったリオンの言葉宜しく、無表情であること、怒っているように見えてしまうことを逆手に取った表情の機微を取らえるコンテワークがとても印象的…

高雄統子演出の視線 『ダーリン・イン・ザ・フランキス』5話

ゴローがヒロに視線を向けるカットの多さが目立っていたのは序盤。ヒロの変化やゼロツーとの関係を見つめる彼の目は特に印象的に描かれていました。レイアウト的にも巧く、どれもヒロとは目を合わせない位置に置かれ、さりげなく彼を見つめるスタンスが際立…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』5話の演出・再演について

同ポが促す再演への期待。回想で語られたシャルロッテの出会いが現在へと回帰していく映像がとても良く、素敵でした。泣いていた少女と祈る少女を遠巻きに見つめるように前景を立てるレイアウトも憎らしく、この絵を何度も使う理由には今話の主題の一つでも…

『ゆるキャン△』5話のラストシーンについて

*1 なでしこからリンへのオーバーラップ。当たり前と言えば当たり前ですが、これはアニメで加えられたオリジナルの描写です*2。景色を望む二人のバックショットを重ねるトランジションになっていて、その光景はまるで二つの視線 (見ているもの) をも重ねるよ…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』4話の演出について

ヴァイオレットや周囲に対し、どこか背伸びをしようとするアイリス。2話で特徴的だったのは履いたヒールが原因で足を捻ってしまうシーン*1でしたが、そんな背伸びの象徴も今話ではアップショットで映されることが多く、アバンではさながら彼女の立ち位置とそ…

『宇宙よりも遠い場所』5話の演出について

南極へ旅立つマリの話から一転、めぐみの心情を多分に含んだ話へとシームレスに変遷する物語とフィルムの構成。すっと上手が入れ替わり、話の主体がマリからめぐみへと変化していたことをカット単位で寡黙に伝えてくれる巧さに心がざわつきました。二人の関…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』3話の演出について

これまでの挿話でも感情的な手の芝居は多く見受けられましたが、今話でもそれは同様でした。「手紙とは呼べない」と言われた際のヴァイオレットの力の込め方や両親と兄のことを語る際に映されたルクリアの手などは特に顕著で、繊細に各々の機微を捉えていた…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』2話の芝居と演出について

俯きがちな視線、目をそらす仕草と、終始どこか自信のなさを露呈していたエリカ・ブラウン。2話にして描かれたのはそんな彼女の寡黙な物語であり、自身を顧みるための話でした。 それも彼女自身が「自動手記人形に向いていないのは私の方だ」と語ったように…

『スロウスタート』1話の足の芝居、その過程について

おそらくは進学が一年遅れてしまっていることが一之瀬花名の内気な性格に拍車を掛けているのだと思うのですが、それを声色や表情だけでなく、仕草で繊細に描いていくれていたのがとても良いなと思いました。一緒に帰ろうと言ってくれたことに嬉しさを感じな…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』1話の手の芝居と演出について

輪郭線や反射光・影の多さなど、これまでの京都アニメーション作品を振り返っても特筆して線量の多いデザインと言っても過言ではない今作ですが、その中でも特に印象に残ったのは手の芝居に関してでした。それも感情や想いがその手を動かしているよう感じら…

話数単位で選ぶ、2017年TVアニメ10選

今年のアニメを振り返る意味も兼ね、今回もこちらの企画に参加させて頂きます。 ・2017年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。 ・1作品につき上限1話。 ・順位は付けない。 集計ブログ様:話数単位で選ぶ、2017年TVアニメ10…

『少女終末旅行』5話の音と演出について

ファーストカットで描かれた波紋、そして落ちる水滴。原作が好きなことと、今回のサブタイトルに『雨音』が含まれていたことから、このカットが演出的な伏線になっているのだろうと思えたことは幸運でした。音響への拘りもさることながらイメージとしてこう…

テレビアニメED10選 2017

前回同様、放映季順、他順不同、他意はありません。敬称略含む。視聴した作品からのみの選出で、選出基準はいつもと同様 「とにかく好きなED」 です。 この素晴らしい世界に祝福を!2 / おうちに帰りたい 牧歌的なカントリーソングに本編ではなかなか見れない生…

テレビアニメOP10選 2017

今年もこの企画に参加させて頂きます。放映季順、他順不同、他意はありません。敬称略含む。視聴した作品からのみの選出で、選出基準はいつもと同様 「とにかく好きなOP」 です。 GRANBLUE FANTASY The Animation / GO シルエットを生かした絵と印象的なカット…

『アイカツスターズ!』86話の芝居について

母に認められたいという思いと、太陽のドレスを手に入れなければいけないという重圧にも似た背負い込みから項垂(うなだ)れるよう前に倒れるエルザ。背筋を伸ばし自信に満ち溢れていたこれまでの印象からはかけ離れた芝居に思わずドキッとしてしまいました。…